山本彩「ゴリラみたいな人が好き」と告白!? ソロシンガーとしての現在
【音楽通信】第54回目に登場するのは、NMB48を卒業して2年経ち、シンガーソングライターとしてさらに飛躍を遂げようとしている、山本彩さん!
【音楽通信】vol.54
いろいろな音楽を作ることができてすごく楽しい
グループ在籍中の2016年から、シンガーソングライターとして活動してきた山本彩さん。全国のライブハウスツアーを実施するなど、エネルギッシュに活動を展開。2019年4月には移籍第1弾シングル「イチリンソウ」を発表し、12月には全曲作詞作曲を手がけた3rdアルバム『α』が、オリコンウィークリー5位を記録しました。
そんな山本さんが、2020年10月28日に4thシングル「ゼロ ユニバース」をリリースするということで、お話をうかがいました。
ーーまず、山本さんの音楽の源となったものからお聞かせください。幼い頃や思春期の頃に好きだったり影響を受けたりしたアーティストの方はいますか。
小さいときは家族の影響でロックを聴くことが多かったですね。そのなかでも、アヴリル・ラヴィーンを聴いたことがきっかけで、自分でも歌い始めたり、ギターを弾くようになったりしました。だから自分で作詞作曲しているいまがあるのも、もとはアヴリルさんのおかげかもしれません。あとELLEGARDENさんも好きですね。
ーーロックがお好きなのですね。
はい、バンドものが好きでした。“ロック好き”が染みついているので、ルーツはそこかなと思います。
ーーでは現在、目標としているアーティストの方はいますか。
椎名林檎さん、宇多田ヒカルさんですね。独自の世界観と曲作りをされていて、本当にこの人にしか作れない曲ばかりだと思います。そんな曲を書かれているという意味でも、個性として素晴らしいことだと思いますし、作詞作曲、さらに編曲までご自身でされている方々なので。私はまだ編曲はお願いしていたりするので、編曲、アレンジなどまで自分でできるようになったら、またさらに物作りの幅が広がるのかなと。そういう意味で、理想の方々です。
ーー2018年にグループを卒業されてから、2020年の現在までで約2年となりますが、あらためておひとりで音楽活動をされての心境は。
まずジャンルにとらわれずに、いろいろな音楽を作ることができる現在は、すごく楽しいです。やりたいことができるということは、そのぶん、多くの方にも携わっていただいているということなので、本当にいい環境に置かせていただいていると思いますね。いまも不安がなくはないんですが、2年前ほどではなくて。純粋に、自分がやりたいことをそのまま曲にできたり、ライブができたりするのが、すごく幸せだなと感じています。
全曲の作詞作曲&大型タイアップ付きシングル
ーー2020年10月28日に、4枚目となるシングル「ゼロ ユニバース」が発売されます。全作詞作曲を手がけられたそうですが、まず表題曲から、どのような思いがこめられているのか教えてください。
「ゼロ ユニバース」は、現在放送中のドラマ24『あのコの夢を見たんです。』(テレビ東京系 毎週金曜深夜0時12分ほか)の主題歌ということで、ドラマの台本を読ませていただいて、そこから書かせていただいたんです。
ドラマの主人公が、日々のいやなことがあったときに逃げ道のように妄想するんですが、それが安らぎになっていて。妄想が自分にとって、安らぎとなるほどの存在になっているということが、このお話のキーなのかなと思いました。
妄想するなかで自分のやりたいことを思いのままに繰り広げていって、それが現実の世界でも、妄想しているようなことができたらいいなぁという思いでこの曲を作らせていただいています。
ーードラマの原作となったのは、南海キャンディーズの山里亮太さんの短編小説ですが、曲作りについて山里さんから何かリクエストはあったのでしょうか。
それはなかったですね。山里さんと直接やりとりすることがなかったので、こちらで一生懸命、「こういう気持ちだろう」「こうなったらいいな」と考えながら、作りました。
ーー主演は、仲野太賀さんですね。
仲野さんは、ドラマで山里さんの役をされていますね。この曲は、爽やかな妄想のなかだったり、夢のなかにいたりするような、浮遊感のある曲。ドラマのなかで仲野さんが、妄想から現実に戻るとか、現実に戻ったらまたいやなことがあるという心の葛藤も、歌詞に描いています。
ーー歌詞の最後には、「もう一度新しい自分と会うために ここから出て行くよ」とありますが、これは妄想から抜け出すということでしょうか。
そうです! 妄想から抜け出して、妄想の世界だけでなく、現実の世界でも「なりたい自分になっていくよ」という意味をこめています。
ーー2曲目「愛なんていらない」は、どのようなシチュエーションで生まれた曲ですか。
これはモスバーガーさんのCM曲なのですが、コンセプトが“自立したひとりの女性にも気軽に食べてもらえる、よしがんばるぞ! という気持ちになってもらえるように”というイメージだったんです。そのテーマを汲み取りながら、自分も一応自立している女性として、等身大の27歳の女性の曲が書けたらと思いながら作りました。
ーーレコーディングの際はいかがでしたか。
「愛なんていらない」で描いている女性は、仕事や大切なものに打ち込んでいるという状態で、強がりな面もあるけれど、タイトル通りに「愛なんていらない」という思いで歌っていましたね。けっこう素直な気持ちで歌えたかなと思います。
ーー通常盤に収録されている3曲目「against」は、どのように生まれた曲でしょうか。
これは日本生命さんで、「ニッセイ青春エールプロジェクト」と掲げて、いろいろなエピソードやキーワードを募集していたんです。コロナ禍でできるはずのことができない、会えるはずなのに会えないというようなさまざまな悔しさを抱えている人がたくさんいるので、そんなみなさんの感情を言葉にして送ってもらって、それをもとにして私が歌詞を書いています。ここまでの2曲とはまったく違う、アッパーな疾走感のある曲。みなさんに元気を届けられたらいいなぁと思って作りました。
ーー今年はコロナ禍の影響で、2月からの全国ツアーツアー「山本彩 LIVE TOUR 2020〜α〜」が中止となったそうですね。ただ、8月28日にそのツアーファイナル公演として無観客有料配信ライブを行いましたが、いかがでしたか。
無観客での生配信ライブは、お客さんを入れるライブとはまた違った緊張感がありました。ライブハウスで配信ライブを行ったのですが、ライブハウスのステージも半年ぶりだったので、けっこう忘れてしまっていることや勘を取り戻すのに大変だったこともあったり。でも、歌うにつれて「やっぱりライブっていいなぁ」と実感しましたね。
ーー今後も配信ライブはお考えになっていますか。
たとえみなさんと一緒にライブ会場にいることはできなくても、それ以外の方法でできることは何かあると思っていて。だから、配信ライブもそうですが、そのときどきに何ができるのかを探しながら、やっていけたらと考えています。
「音楽で何かできたら」という気持ちを忘れない
ーー山本さんはコロナ禍での「おうち時間」をどのように過ごしていますか。
以前の自粛期間は、ほぼ家にいました(笑)。部屋を片付けまくったり、ずっとやっていなかった自炊をしたり。おうち時間は、音楽や映画のサブスクリプションをひたすらやることにも、ハマりましたね(笑)。時間があるので、いままでだったら観ることのできなかった「鋼の錬金術師」などの以前放送されていたアニメや長編作を観ていたことも。そういう意味では、自分にインプットする時間が増えましたね。
ーー自炊もされているそうですが、得意料理は。
まだ得意料理と言い切れるほど作っているわけではないですが、生姜焼きやホイル焼きなどですね。最近は、以前よりも自炊の時間は減りましたが(笑)。意外と台所には立っていて、数日間かけて食べられるスープを作り置きすることもあります。
ーーおうちから外出するのも難しい時期ですが、お友達とはどのように過ごしていますか。
地元の高校の友達に電話をするなど、常に連絡をとっていますね。芸能界の友達だとグループの後輩と連絡をとることもありますが、卒業してからは先輩後輩というより、友達という関係になり、そこがいい変化だなと感じています。
ーーでは美容面などで気をつけていることは。
若いときはけっこう思春期の肌荒れに悩まされたので、治すのに必死でした。だから、美容やスキンケアには、お金をケチらんとこうと決めて(笑)。それからは、お肌にいいものをなるべく使うようにしていて、自分に合ったものだったら高くても買うようにしています。
ーー夜は早く就寝するとお肌にいいようですよね。
曲を制作しているときは徹夜することもあって、夜型になってしまうので、夜は寝ないこともあるんですが、制作期間以外のぐっすり眠れる時期に12時間とか寝ています(笑)。だから、プラマイゼロかなという感じですね。
ーー物作りに没頭されるのですね。それは楽しい時間なのでしょうか。
いや、しんどいですね、眠くなるときもありますし。締め切りギリギリのときは焦ってプレッシャーにもなるので、大変だなとは思います。でも、曲が完成して、みなさんに聴いてもらえたときには、本当に達成感があるので、しんどいことも別にいいかなと思っていますね。
ーーお話は変わりますが、山本さんが思う魅力的な人物像は。
男女ともに、誠実な人です。人を思いやる心、人をないがしろにしない気持ちのある人だったら、いいなぁと思います。男性のタイプとしては、ゴリラみたいな人が好きなんです(笑)。
ーーゴリラ!? というとワイルドな感じでしょうか(笑)。
ワイルドで、筋肉も好きなんですが、全体的に男くさ〜い感じが好きなんですよ。お父さんがそんな感じで、野性っぽいというか。お父さんみたいな人がいいです(笑)。
ーーお父さんはきっととてもうれしいと思います(笑)。では最後に、コロナ禍で活動しづらい時期だとは思いますが、今後のヴィジョンを教えてください。
これからも1曲、1曲をしっかりと作っていきたいです。そして、もしライブが普通のかたちでできない状況が続くとしても、いろいろなかたちでやっていけたらと思いますし、また少しずつフェスやイベントが決まったりしているので、そういう機会も大事にしていきたい。やっぱり「音楽で何かできたらいいな」と思っているので、その気持ちを忘れずに、これからも活動していきたいと思います。
取材後記
キラキラとした大きな瞳に吸い込まれそうになるほど、キュートな印象の山本彩さん。大阪でのイベント出演が続々決定しているということで、有観客ライブで山本さんの歌声が聴ける関西のファンの方はとてもうれしいでしょうし、配信ライブでも、CDからでも、元気づけられる方は多いはずです。地元の大阪を盛り上げて、さらに全国に元気を届けてくれる山本さんがリリースするニューシングルをまずはチェックしてみてくださいね。
山本彩 PROFILE
1993年7月14日、大阪府生まれ。2010年に発足したNMB48に1期生として8年間キャプテンを務め、中心メンバーとして活動。2016年、自身の目標であったシンガーソングライターとしての活動を始動させ、10月にデビューアルバム『Rainbow』をリリース。
2018年10月、大阪の万博記念公園東の広場で卒業コンサート『SAYAKA SONIC ~さやか、ささやか、さよなら、さやか~』を開催。NMB48史上最大規模、約3万人を動員した初の野外コンサートとなった。11月4日、この日の卒業公演をもってNMB48を卒業。
2019年、2月からライブハウスツアー「I’m ready」を24会場27公演開催。4月にユニバーサル ミュージック移籍第1弾シングル「イチリンソウ」をリリース。8月、ラジオのレギュラー番組となるCROSS FM『山本彩 カケル』の放送開始。2ndシングル「棘」、3rdシングル「追憶の光」を発表。12月、全曲作詞作曲を行った3rdアルバム『α』をリリースしオリコンウィークリー5位を記録した。
2020年2月より、全国ホールツアーの開催を予定していたがコロナ禍の影響により中止。8月28日にファイナル公演として配信ライブを行う。10月28日、4thシングル「ゼロ ユニバース」をリリースする。
Information
New Release
「ゼロ ユニバース」
(収録曲)
01. ゼロ ユニバース
02. 愛なんていらない
03. against
04. ゼロ ユニバース(Instrumental)
05. 愛なんていらない(Instrumental)
06. against(Instrumental)
2020年10月28日発売
(通常盤)
UMCK-5694(CD only)
¥1,200(税別)
(初回限定盤)
UMCK-7084(CD+DVD)
¥1,800(税別)
[DVD内容]
・表題曲ミュージックビデオ、・メイキングムービー(レコーディング、アーティスト写真+ジャケット写真撮影、ミュージックビデオ撮影の様子)
(FC限定版)
PDCS-1916
(CD+DVD+特典スマホ専用 VRグラス&オンデマンド視聴券+Photo Book)
¥7,800(税別)
[DVD内容]
・バースデーイベント「Sayaka Yamamoto Celebration 2020」番外編映像
・バースデーイベント「Sayaka Yamamoto Celebration 2020」ドキュメントムービー
[特典スマホ専用VRグラス&オンデマンド視聴券]
・バースデーイベント「Sayaka Yamamoto Celebration 2020」ライブ映像
※動画配信期間:2020年10月27日(火)~2021年10月27日(水)
[Photo Book]
・バースデーイベント「Sayaka Yamamoto Celebration 2020」撮り下ろし豪華フォトブック(54ページ)
山本彩 オフィシャルサイト
http://yamamotosayaka.jp/