新星ラッパーRude-α、23歳にして「そろそろお見合いしようかな」と告白!?
【音楽通信】第56回目に登場するのは、23歳にして初めてのウエディングソングを手がけた、沖縄発の新世代ラッパー、Rude-α(ルードアルファ)さん!
【音楽通信】vol. 56
ORANGE RANGEの曲で初めて音楽を認識した
高校1年のときからストリートダンスを始めた、Rude-αさん。高校2年のときには、近所の公園でフリースタイルを仕掛けられたことをきっかけにラップを始め、翌年には「第6回全国高校生ラップ選手権」に出場して準優勝しました。
2018年には、沖縄から東京へと上京後、初のEP『20』(Nijyu)をリリースし、iTunesヒップホップアルバムチャートで初登場1位を獲得。その後、初の海外ライブを敢行し、2019年にはAbemaTVの人気恋愛リアリティ番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演し、ティーンエイジャーの間で大きな注目を集め話題に。
2020年3月には、1stアルバム『23』をリリースするなど、その後もコンスタントに作品を発表し、そのたびにファンを魅了。現在Instagram 13.8万人、Twitter 11万人を超えるほどの人気者です。
そんなRude-αさんが、11月4日に、ニューシングル「マリーミー」を配信リリースされるということで、お話をうかがいました。
ーー幼少時にどんな音楽を聴いていたのでしょうか。音楽を意識しだした出来事はあったのですか。
普通に幼少時は童謡を聴いて育ちましたね。成長していくなかで、物心がついて初めて“音楽”というものを認識したのは、ORANGE RANGEの曲です。母親が車でORANGE RANGEの曲をかけていて、自然と耳にする機会があったから、いい曲だなって。メジャーデビューしているアーティストの音楽を聴いたのも、ORANGE RANGEが最初だと思います。
ーーRude-αさんは沖縄ご出身ですし、同郷のORANGE RANGEさんの曲をよく聴いていたのですね。
はい、曲を聴いたり、ライブを観に行ったりしていました。
ーーではストリートダンスを始められたのはどのような経緯でしょうか。
地元の街を歩いていると、いろいろな人が鏡の前でダンスの練習をやっていて、それを見て僕もやりたいなって。ダンスをしている人に「ダンスを教えてください、得意じゃないですか」とお願いして、その人からダンスを教えてもらったのが始めたきっかけですね。
ーー翌年には「第6回全国高校生ラップ選手権」で準優勝されていますが、努力されたのですね。
いえいえ、努力というよりも、当時はそれしかやることがなかったし、夢中になれるものがなかったから、好きでやっていただけなんです。だから、いまでも練習をしていたとは思っていません。「ラップ選手権」もたまたまやっていると知って、受けてみたら、受かっちゃってという感じなんですよ。
ーー天性のものがあるのですね。新世代ラッパーとして注目されているRude-αさんですが、影響を受けたラッパーの方はいるのでしょうか。
KDTという地元のラッパーにフリースタイルを仕掛けられたことから、ラップを始めることになったんです。だからそういう意味では、一番影響を受けたのは彼かもしれないですね。ライバルではなく、いまの自分を作ってくれた人、先輩のような存在です。
ーー沖縄から東京へと上京後、インディーズでのiTunesヒップホップアルバムチャートで初登場1位を獲得した後も快進撃を遂げていますが、デビューされてから現在までの1年半、これまでに印象に残ったことは。
デビューしたこと自体も印象深いんですが、昨年の7月にリリースした「LIFE」という曲で、TVアニメ『Dr.STONE』(TOKYO MXほか 2019年放送)のエンディングテーマをやらせていただいたんです。このアニメは、『週刊少年ジャンプ』(集英社)でいまも連載中の作品がアニメ化して放送されていたんですが、この曲を担当することで海外の方も僕の歌を聴いてくれて、すごく反応してくれました。
もちろん言葉も違いますし、まさか日本以外の方にまで反響があるとは思っていなくて、その国に行ったことがなくても、海を超えてそういう人たちの日常のなかに自分の音楽が鳴っているなんて。これは音楽をやっていないと、なかなかできない経験だと実感しました。ほかにもいろいろな発見があるんですが、毎日の出来事が、明日の自分を作ってくれているという感じがしますね。
ーー音楽以外では、デビュー後にAbemaTVの恋愛リアリティー番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演されましたが、歌とはまた違う環境はいかがでしたか。
番組出演は歌うこととは全然違うものなんですが、人生1回しかないですし、人間いつかは死ぬから、こういった経験もいいんじゃないかなと出演しました。僕のように音楽をやっている人間が出ると、「そういうの出るんだ」と思う方も少なからずいたんですが、僕は雑音が気にならないんです。出演したおかげで、いままで思っていなかったことにも気づけましたし、いい夏だったなと思っていますね。
ーーまたそれがご自身の曲作りにも良い影響があったり?
そうですね。その経験をもとに作った歌もありますし、さまざまな友達もできましたし、恋愛をするということ以上に、出演していろいろなものをもらえた機会だったなと思います。
年老いていく美しさも愛する初のウエディングソング
ーー2020年11月4日に、しっとりと聴かせるラブバラードのシングル「マリーミー」を配信リリースされます。今回は初のウエディングソングを手がけられましたね。
この曲は、現在放送中の連続ドラマ『マリーミー!』(テレビ朝日系 毎週土曜深夜2:30、ABCテレビ 毎週日曜午後11:25)の主題歌のお話をいただいてから、作りました。ドラマの台本や原作の漫画を読ませていただいたりして、歌詞を書いていきましたね。
ーーこういったラブソングでは、曲を作るときは、いつもご自身の体験から作られるのでしょうか。
いつもはメロディから決めていくんですが、実体験はないですね。けっこう恋愛の曲を作っているんですが、たいした恋愛をしたことがないので、想像だったり、本を読んだり、日常で誰かが言っていた何気ない会話からインスパイアされて歌詞を書いたりしていますね。
ーー「マリーミー」の「シワの増えた顔も 白く染まる髪の毛も全部 隣で見たい 愛しさを知った」というリリックに驚いたのですが、クラシカルな表現といいますかロマンチックな内容は、23歳のRude-αさんの結婚観も歌詞に反映されていますか。まだ結婚は身近ではないですよね?
いや、地元の友達はすでに結婚していますし、沖縄では結婚が早い風習があるので、みんなすぐ結婚して、すぐ子どもを産みます(笑)。沖縄へ帰ると、おばあちゃんに「あんた早く結婚しなさい!」って言われるんですよ、「結婚しないと物事の分別がつかない!」とけっこう言われるんです。
でも、東京で早く結婚しようとすると「早くない?」って、結婚しても30歳ぐらいじゃないですか。僕は内心、焦っていますけどね。23歳って、母親が僕を産んだ年齢なんですよ。それを考えたら、いま僕はまだ結婚していないから、そろそろお見合いしようかなと思います(笑)。
ーー早い結婚もいいと思います(笑)。
結婚していないやつがこんな歌詞を書いていますが、たとえば、いまのきれいな相手が好きだらかといった気持ちではなく、だんだんと年老いていくことやうれしいこと、それにいろいろな悲しいこととか、そういったすべてのことを一緒に背負っていくのが、僕は一番いい。年老いていく美しさがあると思って、こういう歌詞を書いたんです。
ーーでは理想の家庭像はありますか。
息子は野放しにして、娘は彼女みたいに育てたい(笑)。男の子は人に迷惑をかけなければ、好きなことをやったらいいと思っていて、でも女の子は……。渋谷とか歩いていると、たまに酔いつぶれている女の子とかがいたり、いつか「留学したい」とか言われたりして、どこかでチャラい男とかに当たってしまわないかといまから気が気ではないですね(笑)。
ーーいいお父さんになりそうです(笑)。ちなみに、ドラマの『マリーミー!』にもカメオ出演されていましたが、現場の様子はいかがでしたか。
カメオ出演って、何なのかもよくわからなかったんですが、当日現場に行ったらスタッフの方が「客役のRude-αさん入りまーす!」と言われて。そのときに初めて客の役だと知って、台本もそのときに渡されたものを見て、セリフも“お好きにお答えください”としか書かれていなくて。監督に「どうしたらいいですか?」と聞いたら、「いつもの感じで」と言われて、それをそのままドラマで実践したんですよ。ドラマ初演技とか言われるんですが、演技と言ってもいいのか戸惑います。
ーー主演は、雑誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルでもある、久間田琳加さんですが、一緒のシーンにご出演されていましたが何かお話しされましたか。
久間田さんに「曲が好きで、よく聴いてるんです」と言われたんですが、むしろ「聴かないでください」って言って(笑)。
ーーなぜですか(笑)!?
久間田さん、めちゃくちゃかわいかったんですよ! でもプライベートでは絶対会いたくない、ドラマの現場にあんなにかわいい人がいるんだったら、緊張してしまうのでもう行きたくないなと思いました! 遠くから見ていたいですね。
ーーでは、久間田さんの相手役の瀬戸利樹さんは、主題歌のことは何かおっしゃっていましたか。
瀬戸さんは「ドラマにぴったりな曲だね」とか、いろいろと感想を話してくれました。瀬戸さんと久間田さんには、僕のグッズなどを渡したんですが、おふたりとも喜んでくれて、良かったなと思いましたね。
ーー今後も機会があれば、演技のほうも?
ないですね(笑)。新しい可能性を見せちゃうと、事務所に依頼が届いて仕事が増えていくので、音楽だけでいいです。
「ピースな感じで」人の悩みを吹き飛ばす存在になる
ーー現在、コロナ禍ではありますが、どんなふうにおうちで過ごしていますか。
以前の自粛期間は、お店に行くことはなかったですが、その頃からけっこう散歩はしていましたね。僕、友達と4人でシェアハウスで暮らしているんです。最近は、朝起きてから、友達と4人で近所の弁当屋で弁当を買って公園で食べて、日中の予定が何もないときは公園でピアノの練習をして。夜は銭湯から帰った後に、公園でみんなとビールやチューハイを飲んだり。
雨の日でも公園へ行って、雨を見ています。子ども用の雨宿りする場所があって、そこに誰もいないときは、雨宿りしながらピアノの練習をして、あとは鳩を見ていますね。「雨の日は鳩がどこにいるのかな?」と考えていたら、雨の日も鳩って濡れながら外にそのままいるんですよね、そういう発見が楽しいです。
ーー今回の新曲のタイトルは「マリーミー」ですが、Rude-αさんの理想の女性像は。
一番は、思いやりのある人がいいです。受け入れてもらうことを考えるよりも、まず相手を受け入れる人。愛されるより先に、自分から愛するということをわかっている人がいいですね。僕と同い年の女友達もいますが、自分に合うタイプの女の人は同世代よりも、もっと年上かも。
心が広くて、ふたりで会話していると、自分の悩みなんてちっぽけに思えるような人というと、おばあちゃんですね。おばあちゃんとは、一緒にいるだけで、安心感を得られるというか。おばあちゃん以外では、そんな女の人には、まだ会ったことがないですけどね(笑)。
ーーちなみにラブソングを書かれるときは、そういった理想の女性を思い描いて書かれたりするんですか。
いやもう、わがままな女性たちを書いています(笑)。ラブソング書くときは、女性だったり、男性だったり、いろいろな人にその心情があてはまるように書いていますね。
ーーでは最後に、今後の抱負をお聞かせください。
ずっと公言していることは「武道館でワンマンライブやります!」ということで、一番はそれです。いまはこういう時期ですし、予定していたものがいろいろと止まってしまうことがあるなかで最近思ったのは、世の中で売れる売れないとか、メジャーやアンダーグラウンドとかは関係がないなと。
一番大事なことは、人の気持ちを動かせる、悩んでいる人がいるときに、僕を見たら笑えるというような、人の悩みを吹き飛ばせるアーティストになれたらいいなと思っているんです。さっきお話しした理想の女性像もリンクしていますが、安心感を得られるような存在がいい。これからも、ピースな感じでいきたいですね。
取材後記
新世代ラッパーとしてさらに人気急上昇中のRude-αさん。沖縄の風を感じるパーソナリティはとてもあたたかく、和やかに、取材させていただくことができました。23歳にして手がけた初のウエディングソングには、等身大のRude-αさんの想いがこめられています。そんなRude-αさんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。
Rude-α PROFILE
1997年2月8日、沖縄県沖縄市出身。
高校1年のときからストリートダンスを始め、各種ダンスバトルやイベントに出演。高校2年のとき、近所の公園でフリースタイルを仕掛けられたことをきっかけにラップを始める。翌年、「第6回全国高校生ラップ選手権」に出場し、準優勝。東京上京後、2017年からはバンド編成でのライブ活動をスタート。
2018年2月、東京上京後初のEP『20』(Nijyu)をリリースし、iTunesヒップホップアルバムチャートで初登場1位を獲得。3月にはアメリカ・オースティンで行われている音楽フェスSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト) 、そして全米7都市を廻るSXSWジャパンツアーに参加し、初の海外ライブを敢行。
2019年5月、メジャーデビューEP『22』(Nijyuni)をリリース。先行配信シングル「wonder」が、ストリーミング400万回、MV視聴250万回を突破。さらに7月からはAbemaTVの人気恋愛リアリティ番組『オオカミちゃんには騙されない』に出演し、独特なキャラクターがティーンエイジャーの間で大きな注目を集め話題に。番組出演をきっかけに、わずか3か月の間でSNSフォロワーが激増。現在Instagram 13.8万人、Twitter 11万人を超えるフォロワーを持つ。
2019年9月23日(水)、デジタルシングル「It’s only love」をリリース。本人直筆のリリックビデオが話題を呼び、MV本編公開前にも関わらずYouTubeを中心に35万回を再生。MV本編公開後には、わずか4か月でYouTube345万回再生、ストリーミングでは600万回再生を超え、いまだロングヒットとなり、自身最大のヒット曲となった。
2020年3月、1stアルバム『23』をリリース。8月、自身初の書下ろしエッセイ「何者でもない僕たちに光を」(KADOKAWA)発売。11月4日、ニューシングル「マリーミー」を配信リリース。
Information
New Release
「マリーミー」
ABCテレビ ドラマL『マリーミー!』主題歌
(収録曲)
01.マリーミー
02.マリーミー instrumental
2020年11月4日配信リリース
Rude-α オフィシャルサイト
https://www.rude-alpha.com/