共感連発の「韓流あるある」が大ブレイク! 韓国通芸人 スクールゾーン橋本稜 の「激推し作品」
気になる話題の映像作品をおすすめする【テレビっ子の窓】第6回は、番外編。お笑いネタ本『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』(世界文化社)を発売した、韓国ドラマやK-POPに詳しい、お笑いコンビ「スクールゾーン」の橋本稜(通称はしも)さんに、おすすめの韓国作品や本のお話をうかがいました!
スクールゾーン橋本さん登場
【テレビっ子の窓 番外編】vol. 6
世界中から注目を集めている韓国作品は、現在さまざまな動画配信サービスから視聴できるということもあって、何から観ようか迷う方もいるかもしれませんね。そこで、韓国通のスクールゾーン橋本さんに、著書でも紹介しているネタの韓国ドラマや楽しみ方、最新作からここ数年で印象深い韓国作品についてインタビューさせていただきました。
――2023年3月30日に初の著書『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』を発売されましたね。韓流愛の詰まったネタを披露されている橋本さんですが、そもそも“韓流あるある”を始めたきっかけや、今回書籍化された理由はなんですか?
韓国ドラマを観ていると、「え? こんなときに記憶喪失になるの!?」とか、「また交通事故?」という、突然の展開なのにある程度パターン化している部分もあるなと気づいたときがあって。いろいろなドラマを再確認していくと「またこれやってる!」「毎回、シャワーシーンがあるのはなんだろう」といった疑問をインスタグラムで発信したら、共感してくださる方が多くて、それならばと“韓流あるある”ネタをやりはじめました。
『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』より。
インスタをやり始めた4年前ぐらいから、“韓国ドラマあるある”を400本ぐらい動画で出しているので一度まとめた形にしようと、今回の書籍は“あるあるの集大成”といったものになります。文字で見ても面白くて、インスタにも載せていないようなネタも集めて、紹介しています。
『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』 U-NEXT配信中 (C) STUDIO DRAGON CORPORATION
――書籍の「当たり前のように人間以外の相手に恋をする」というページで紹介された韓国ドラマの中に、私も大好きなコン・ユさんの『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016年)の名前も。“900年以上生き続けるトッケビ(鬼のようなもの)”が登場しますが、未見の方も「トッケビ」を楽しめるコツはありますか。
まだ観てない方にとっては「トッケビ」の、900年も生きた鬼と人間が恋愛するという設定がちょっと飛んでいるように感じるかもしれませんし、ほかに『愛の不時着』(2019年)にしても北朝鮮にパラシュートが不時着するなんてちょっとよくわからないな……と、すんなりドラマに入っていけない設定だなと思う人がいる場合もあるとしても、その気持ちもよくわかるんです。でも、そんな思いをいったん置いて観てみると、いつの間にかどんどんのめり込んでいく作品のひとつが「トッケビ」なんですよね。
『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』 U-NEXT配信中 (C) STUDIO DRAGON CORPORATION
もし1話からのめり込めない場合、6話ぐらいから観てもいいかなと。韓国ドラマって、だいたい6話からちょうど面白くなってくる作品が多いように感じるので、6話から最終話まで観て、また1話から5話を観るという、スターウォーズみたいな視聴の仕方でもアリ。さらに「トッケビ」は、OSTというドラマのサウンドトラックが15曲以上もたくさん収録されているのがかなり珍しくて、観終わってロスになったらOSTを聴きながらロスを解消すると、何通りもドラマの世界観を楽しめます。
橋本さんおすすめの韓国作品
Netflixシリーズ『椿の花咲く頃』独占配信中
――昨年、anan本誌でも「イチ押し韓流作品3選」をご紹介してくださっていますが、いまおすすめの韓国ドラマといえばなんでしょう?
ここ数年で面白いと思ったラブコメだと『椿の花咲く頃』(2019年)ですね。最近だと、『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』(2022年)は展開がはやくて観やすいんじゃないかなと。もうひとつ、ドラマではなく未配信のユン・ダンビという女性監督の韓国映画『夏時間』(2021年)も良かった。単館上映していたので、東京の下高井戸シネマに観に行きました。
Netflixシリーズ『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』独占配信中
――ジャンルの違う3作ですね。私も『椿の花咲く頃』はシングルマザー役のコン・ヒョジンさんとカン・ハヌルさんの恋の行方に見入りましたし、「ザ・グローリー」は壮絶な場面もありつつスカッとする復讐劇でした。『夏時間』はまだ観られていないのですが、いかがでしたか。
この2作の韓国ドラマは、やっぱりおすすめになりますね。映画は、子どもたちがおじいちゃんの家に遊びに行って、ただ時が流れていくだけで派手な展開は何もないんですが、子どもたちが成長していく雰囲気が良かった。
――いまあらためて日本で推したい韓国俳優といえば誰が思い浮かびますか?
若手俳優よりは、渋い俳優さんの波が来てほしいですね。演技派のファン・ジョンミンさんは個人的にいいなあと思いますし。あとはチ・チャンウクさんかな。いい演技を見せてくれるから、日本でもさらに人気が出ても良さそうなのになって。
『冬のソナタ』 U-NEXT配信中 Licensed by KBS Media Ltd. (C) KBS. All rights reserved
――橋本さんは、中学生のときにお母様の横で『冬のソナタ』(2002年)を観ていたことが韓流好きになる原体験となっているんですよね。
そうです。主演のペ・ヨンジュンさんにもハマって出演作を観るようになると、『太王四神記』(2007年)という韓国ドラマの主演もやっていて、その主題歌が東方神起だったので、そこからK-POPにハマっていって……という感じで韓流好きになっていきました。
――男性で中学生ぐらいから興味を持つのは、珍しいですね。
韓流話を話せる友達がいなかったので、妹と一緒に東方神起のライブに行ったり、よく母と一緒にドラマを観たり。母はファンクラブに入るほどのヒョンビンさんのファンなので、いまでも情報交換していると、「ヒョンビンのオフ会に行ってくる」というLINEが来ることも(笑)。
韓国作品はポイントや演出を作るのが上手
映画『告白、あるいは完璧な弁護』2023年6月23日より全国公開中。
(C)2022 LOTTE ENTERTAINMENT & REALIES PICTURES All Rights Reserved.
――ヒロインでいま注目している韓国の女優さんはいますか?
この間、試写会で観させていただいたソ・ジソブさん主演のサスペンス韓国映画『告白、あるいは完璧な弁護』に、ガールズグループ「AFTERSCHOOL」のナナさんが出ていて、お上手だなと。K-POPアイドル出身の女優さんは、お芝居が上手な方が多いんだなと注目しています。お芝居はまだですが、今後は「aespa(エスパ)」のウィンターちゃんの演技も観てみたいな。
――確かにK-POPグループ出身の方も映像作品でご活躍されている方は多いですよね。それだと私は、少女時代のユナさんが好きです。K-POPといえば、橋本さんの書籍では“韓流あるある”の度合いをBTSのキム・ナムジュン(RM)さんに扮して表現していますね。
BTSもずっと追っていて、ナムさんが口角をよく上げていることに気づいて、まねしてみたら意外と似せられるかなとやらせてもらうようになりました。書籍では、ナムさんの口角の上がり具合で、あるある度を三段階で表現しています。
『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』より。
――では最後に、韓国作品の良さはなんだと思いますか?
たとえ結果がわかっていても、そこまで行く足かせがすごく面白いところでしょうか。韓国ドラマや韓国映画を観ていると、「なんで!?」とツッコミたくなる、ぼやきたくなるようなポイントを作るのはとても上手ですよね。韓国ドラマの最後の終わり方ひとつとっても、毎回続きが気になる演出も上手ですし、結局、ベタが素敵だなと思います。ベタなところは変わらないでいてほしいですね。
――では今後も、韓国作品をいろいろとご覧になっていくとネタも増えて、「韓国あるある本」の第2弾が発売されることも?
そうですね。韓国ドラマが進化していくと思うので、またそれに合わせた“韓ドラあるある”を新しい形でもやっていけたらいいなと思います。
Information
『スクールゾーンはしもの 韓流あるある100』(世界文化社)発売中
¥1,650(税込)
教えてくれた人
スクールゾーン 橋本稜(はしもとりょう)
1992年1月10日、埼玉県生まれ。NSC(吉本総合芸能学院)東京校16期卒業。2011年、俵山峻(たわらやましゅん)と「スクールゾーン」を結成。幼少期より慣れ親しんだ韓国ドラマやK-POPの知識、特技である韓国語を生かした「韓国あるある」をSNSで発信中。
スクールゾーン はしも 公式SNS
Instagram
https://www.instagram.com/schoolzonehsm/
TikTok
https://www.tiktok.com/@schoolzonehsm?source=h5_t
Twitter
https://twitter.com/schoolzonehsm
「スクールゾーンChannel」YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCwiPUZyuFkrQqAmRW93tLgA
取材・文:かわむらあみり