コラム中川大志の実力と魅力がたっぷり楽しめる初主演ドラマ『ボクの殺意が恋をした』

こんにちは、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。Suits womanでテレビをテーマにした連載コラムを書いています。

今回は、『ボクの殺意が恋をした』(読売テレビ・日本テレビ系 日曜午後10:30)をご紹介します。

いまの世の中を明るくするスリリングなラブコメディが誕生

GP帯に初主演する中川大志が最高に“間が悪い”殺し屋・男虎柊(おのとらしゅう)を熱演! (c)ytv

中川大志さんがゴールデン・プライム帯の地上波連続ドラマで初主演を務める、現在放送中の『ボクの殺意が恋をした』は、中川さん演じる最高に“間が悪い”殺し屋・男虎柊(おのとらしゅう)が、殺したいはずのターゲットである人気漫画家・鳴宮美月(新木優子)に禁断の恋をしてしまうという、スリリング・ラブコメディ。

初回放送では、幼い頃に両親を亡くした柊の育ての親で、清掃会社を経営している男虎丈一郎(藤木直人)が、ある日何者かに殺されてしまいます。

混乱する柊に、普段は警視庁の生活安全課に所属しながら、実は警察組織内に秘密裏に存在している、法では裁けない人間を闇に葬り去る殺し屋組織“Secret Operation Service(通称:SOS)”を束ねている刑事・綿谷詩織(水野美紀)が“SOS”の存在と、丈一郎がここに所属する“伝説の殺し屋”だったことを激白。

そして丈一郎を殺したのが人気漫画家の美月だと知った柊は、殺し屋になって復讐することを決意するのでした。

柊と育ての親・男虎丈一郎(藤木直人)。実は伝説の殺し屋である丈一郎のコードネームは「五黄のトラ」。 (c)ytv

今作は、映画『翔んで埼玉』(2019年)や今年8月20日公開でファイナルを迎える映画『かぐや様は告らせたい』シリーズ(2019年、2021年)、連続ドラマ『ルパンの娘』シリーズ(2019年、2020年 フジテレビ系)が好評で、今年10月15日に映画『劇場版 ルパンの娘』の公開が控える脚本家、徳永友一さんによるオリジナル作品です。

今春、脚本家の徳永さんに、コロナ禍になってからの日本ドラマの制作状況についての変化をインタビューさせていただく機会がありました。ドラマの撮影現場においてのキャストのみなさんの取り組み方もそうですが、脚本を作り上げていくにあたってのやりとりや、現在の状況下でのドラマが果たす役割のようなものの変化をうかがうことができました。

そして、詳細はまだ言えないものの連ドラの準備に入っていて、ドラマは「オリジナル脚本で、サスペンスの要素が入ったラブコメ」だとうかがっていたので、今回の『ボクの殺意が恋をした』が発表されたときに「このドラマだった!」と歓喜。

ドラマの公式サイトでは、中間利彦プロデューサーが「昨年4月のステイホーム期間中に、徳永さんと練り始めたオリジナルドラマです。閉塞感が漂うこんな時だからこそ、家族みんなでドキドキしながら笑って観られる刺激的なラブコメを作りたいと企画を練り上げてきました」とコメント。

いまの状況下において、わたしたちの日常生活にユーモアと楽しさを与えてくれるのが、この『ボクの殺意が恋をした』なのです。

殺すはずのターゲット・鳴宮美月(新木優子)をつい守ってしまう、柊。 (c)ytv

若手実力派俳優・中川大志の魅力が全開の初主演ドラマ

柊と美月は花火大会に行くが、その先にはアノ殺し屋が待っていた……。 (c)ytv

中川大志さんが主演を務める『ボクの殺意が恋をした』は、最高に“間が悪い”殺し屋・男虎柊(中川)が、殺したいはずのターゲットである人気漫画家・鳴宮美月(新木優子)に禁断の恋をしてしまうという、スリリング・ラブコメディです。

育ての親・丈一郎(藤木直人)を殺した美月に復讐することを決意して、殺し屋になったものの、致命的な“間の悪さ”で失敗ばかりする柊。演じる中川さんといえば、1998年6月14日生まれの現在23歳。2009年に子役としてデビューして以降、数々のドラマや映画で着実に力をつけてきた、若手実力派俳優として知られていますよね。

なかでも、2011年に放送され大ヒットした連続ドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)での阿須田翔役は、お茶の間に鮮烈な印象を与えました。近年のドラマだと、筆者は2019年に放送された『G線上のあなたと私』(TBS系)でのバイオリン教室に通う恋愛に不器用な加瀬理人役や、2020年に放送された『親バカ青春白書』(日本テレビ系)での真面目な好青年・畠山雅治役が印象的でした。

今回の『ボクの殺意が恋をした』ではちょっとヌケているキャラクターを演じる中川さんですが、その振り幅の大きい演技力の高さで、どんな柊を見せてくれるのか、ワクワクしてしまいます。そんな柊のライバルとなるのが、世界をまたにかける人気モデル・八乙女流星(鈴木伸之)。

人気モデル・八乙女流星(鈴木伸之)の裏の顔はなんと殺し屋・デス・プリンス!!
 (c)ytv

でも、実は“芸術的な殺し方”に強いこだわりがある天才肌の殺し屋で、コードネームは「デス・プリンス」というキワモノ。今作のリモート制作会見では、殺し屋になるときに着用している真っ黒ずくめのロングコートなどを羽織る衣装が「暑い」と吐露しつつも、コードネームにちなんでコートは「デスコート」、ブーツは「デスブーツ」と呼ぶなど、すっかりデス・プリンスぶりを披露していた鈴木さん。

初回放送では、美月のマンションの屋上で、イヤホンから流れるクラシックを聴きながら踊り、殺しを実行しようと躍起になるデス・プリンスを柊が阻止。丈一郎から、知らない間に殺し屋としての英才教育を受けて育った柊と、かなりのナルシストで「死に様は美しくあるべき」というポリシーを持つデス・プリンス。

くしくも『G線上のあなたと私』では中川さんと兄弟であり、恋のライバルという役柄だった鈴木さん。今回は、恋とは違う意味ではあるものの、ひとりの女性をめぐって対立する関係になっていて、今後このふたりがどう絡んでいくのかも気になるところです。

そんな『ボクの殺意が恋をした』の次回、7月11日放送の第2回では、柊は美月を殺すつもりが、秘書兼雑用係になって美月の世話をすることになり、こき使われるハメに。そうこうするうちに、流星が美月に近づく。一方、流星がデス・プリンスと同一人物と知り、驚く柊は、流星が美月を殺すのではないかと警戒する。ふたりは「お前が殺す前に、俺が殺す」「面白い。どちらが先に彼女を殺せるかな?」と、美月をめぐって対決することに。果たして、柊と流星の“デス・レース”の行方やいかに!?

柊と美月は果たして恋に落ちるのか、それとも……!? (c)ytv

『ボクの殺意が恋をした』
https://www.ytv.co.jp/bokukoi/

かわむらあみりのテレビウォッチング
https://suits-woman.jp/column/tv/
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