コラム松坂桃李×井浦新のBL!?に隠された多様性あるドラマ『あのときキスしておけば』に萌えキュン!

こんにちは、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。Suits womanでテレビをテーマにした連載コラムを書いています。

今回は、金曜ナイトドラマ『あのときキスしておけば』(テレビ朝日系 毎週金曜 午後11時15分・一部地域除く)をご紹介します。

大石静がコミカルに描く新しい“人との絆”

もっとイチャイチャしてほしい! 田中マサオ(井浦新)&桃地のぞむ(松坂桃李)にドキドキ (C)テレビ朝日

現在放送中の松坂桃李さん主演ドラマ『あのときキスしておけば』は、恋愛ドラマの名手と名高い大石静さんのオリジナル脚本による衝撃(いや、笑撃?)の“入れ替わり”ラブ・コメディです。

大石さんといえば、『知らなくていいコト』(日本テレビ系 2020年 )、『家売るオンナの逆襲』シリーズ(日本テレビ系 2016・2019年)、『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系 2018年)、『セカンドバージン』(NHK 2010年)、NHK連続テレビ小説『ふたりっ子』(1996年)ほか、ホームドラマから恋愛ドラマまで、数々のヒット作を世に送り出してきました。

今回の『あのときキスしていれば』略して「あのキス」は、ポンコツで不運続きというスーパーの青果担当をしている主人公・桃地のぞむ(松坂)が、ある日、レジで粘着質なクレーマーにからまれていたところ、大好きな漫画『SEIKAの空』の作者・唯月巴(麻生久美子)に助けられ、運命的な出会いを果たしたところから、物語が始まります。

巴はペンネーム「蟹釜ジョー」として知られる漫画家で、その後高額バイトとして雇った桃地とともに沖縄旅行に出かけたところ、事故に巻き込まれ帰らぬ人に……と見せかけて、実は飛行機で隣り合わせた見知らぬおっさん・田中マサオ(井浦新)の体に巴の魂だけ乗り移ってしまうという、トンデモストーリー。

この「死んだ彼女の魂がおじさんに乗り移る」というアイデアをドラマの貴島彩理プロデューサーから提案された大石さんは、柔軟に脚本に取り込みながら、大石さんならではのラブ・コメディを展開しているのです。

なんといっても、桃地と“オジ巴”(巴の魂が乗り移ったマサオ)のイチャイチャぶりが毎週見どころで、回を増すごとに親密度が上がり、一見「BL(ボーイズラブ)なのかな!?」と見紛うばかり。ドラマの公式Youtubeチャンネルでは、“オジ巴”と桃地がラブラブモードで追いかけっこしながらのバックハグ動画までアリ! 同局で大ヒットしたこちらは正真正銘BLがベースのドラマ『おっさんずラブ』(2016・2019年)も記憶に新しいですよね。

さらに“入れ替わり”がテーマといえば大林宣彦監督の映画『転校生』(1982年公開)から、つい最近まで放送されていた冬ドラマ『天国と地獄 ~サイコな2人~』(TBS系 2021年)など多々。ただ、ドラマでいうと、筆者は『民王』(テレビ朝日系 2015年)が思い出深い。このドラマも「あのキス」と同じ同局の金曜ナイトドラマ枠でしたが、ダブル主演の内閣総理大臣役の遠藤憲一さんと息子役の菅田将暉さんの“入れ替わり”の演技がすごかったし、心の底から笑わせてもらいました。

ただ、「あのキス」がこれまでの“入れ替わり”ドラマと少し違うのは、すでに巴は死んでいるということ。つまり、ユーレイの巴の器がマサオなわけですが、そのマサオの魂はどこに行っていて果たして戻ってくるのか? 巴は戻る器がないため、今後は成仏するのか、それとも人形など他の物体に乗り移るのか? 謎は深まるばかりです。

続いては、松坂さんや井浦さんなど、キャストにも迫っていきましょう!

年齢層もタイプも違うバリエ豊かなイケメンたち

“オジ巴”が“唯月巴(麻生久美子)化”する場面での美しさにもドキドキ!! (C)テレビ朝日

松坂桃李さん演じる主役・桃地のぞむが奮闘する『あのときキスしておけば』は、麻生久美子さん演じる唯月巴の魂が、井浦新さん演じる・田中マサオに乗り移り“オジ巴”になるという、“入れ替わり”ラブ・コメディ。

「あのキス」で見逃せないひとつの要素は、年代もタイプも違う、バリエーション豊かなイケメンがたくさん登場するところ。主演の松坂さんは、現在32歳。近年、体当たりで挑んだ『娼年』(舞台は2016年上演、映画は2018年公開)や、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した映画『新聞記者』(2019年)など、その確かな演技力で幅広い役柄を演じ分けてきました。今回初の一人二役で、松坂さんと恋人同士(?)になる新さんは、現在46歳。NHK大河ドラマ『平清盛』で演じた崇徳上皇の壮絶さは忘れられませんし、一方で最近まで放送されていた冬ドラマ『にじいろカルテ』(テレビ朝日系 2021年)での、のびのびとした外科医役も印象的。

俳優としての活動はもちろん、モデルや自身のブランドを展開している新さんがまだ「ARATA」名義で活動していた頃、DJをしていたクラブイベントに行ったことがあるのですが、ただそこにいるだけでカッコいい。そんな新さんなのに、「あのキス」の“オジ巴”はなぜか麻生さん演じる巴にしか見えなくなるという、不思議。オジ巴は鼻水もたらすし、めっちゃかわいい仕草もするしで、釘付けになるんですよね。

そして巴の元夫であり、『週刊少年マキシマム』の副編集長で『SEIKAの空』を連載当初から担当してきた敏腕編集者・高見沢春斗役を演じる32歳の三浦翔平さんは、同局の『M 愛すべき人がいて』(2020年)でも最強ぶりを発揮。今作でのコミカルな場面とも親和性が高くていい感じです。さらに、俳優・窪塚洋介さんの長男で17歳、モデル・俳優として活躍する窪塚愛流さんが、マサオの息子役で出演。愛流さんは、新さんの事務所の後輩でもあるんですね。

松坂さんをはじめ、新さん、三浦さん、愛流さんと、10代から40代まで、イケメンが続々登場する今作。ラブコメとはいえ、実は、見かけだけに惑わされない、さまざまな“人との本当のつながり”の大切さを感じさせてくれる「あのキス」なのです。

気になる次回、5月21日放送・第4話は、捻挫した“オジ巴”をおんぶして歩いていたところ、突如背後から叫び声が。おそるおそる振り返る桃地の前で仁王立ちしていたのは、なんとオジ巴の“外身”=マサオの妻・帆奈美(MEGUMI)だった……。えーっ! 一体どうなるんでしょうか!? 来週も見逃せませんね!

金曜ナイトドラマ『あのときキスしておけば』
https://www.tv-asahi.co.jp/anokiss/

かわむらあみりのテレビウォッチング
https://suits-woman.jp/column/tv/
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