コラム石原さとみ×綾野剛のドラマ『恋はDeepに』が描くのは、深い愛と海の物語

こんにちは、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。Suits womanでテレビをテーマにした連載コラムを書いています。

今回は、水曜ドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系 毎週水曜 午後10時)をご紹介します。

秘密を抱える主人公を石原さとみが軽やかに好演

渚海音(石原さとみ)と蓮田倫太郎(綾野剛)の恋が加速!(c)日本テレビ

現在放送中の水曜ドラマ『恋はDeepに』は、主人公の海を愛する海洋学者・渚海音(なぎさみお)役に石原さとみさん、マリンリゾート開発に人生をかけるツンデレ御曹司・蓮田倫太郎(はすだりんたろう)役に綾野剛さんがダブル主演するラブコメディです。

石原さんは、日本テレビ系ドラマだと2018年放送の野島伸司さん脚本『高嶺の花』以来の主演ですし、綾野さんは同局だと2017年放送の大森寿美男さん脚本『フランケンシュタインの恋』以来の主演となります。

どちらのドラマも観ていましたが、独特な世界観に惹き込まれました。今回の『恋はDeepに』は、人気ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)や『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)などの徳尾浩司さんが脚本を担当しているので、ますます物語が楽しみになります。

こうして楽しみにしているのはもちろん私だけではないようで、2021年4月14日の初回放送の無料見逃し配信再生数(TVer /日テレTADA/ GYAO!)は約300万回! すでに日本テレビの全番組で歴代第1位(4月20日まで/NTV調べ)になったそうです。

今作がドラマ初共演となる、石原さんと綾野さん。ドラマのオフィシャルサイトで石原さんは、「恋に落ちる相手役として、綾野さんのお名前を聞いた瞬間『わぁよかった!! 恋に落ちるの、簡単です!』と思いました(笑)」と語り、一方の綾野さんも「恋に落ちるお相手が石原さんと聞いて、直感でお受けしました。素直にご一緒したかったんです。くるくる変化する魅力に、僕も現場も包み込まれ、恋に落ちてます」と語っています。

いや、もう、この豪華なおふたりのお互いに対するワクワク感が、よりいっそう視聴するわたしたちにも「どうなるんだろう!?」という、期待感をふくらませてくれるんですよね。

石原さんは、言わずもがなの美しさで、ただそこにいるだけでいい! と女性からも思わせてしまうほどの愛くるしさで、劇中でのファッションもチャーミング。4月21日放送の第2話だと、シルバーのピアスをした石原さんがペールグリーンのトップスにパールのネックレスの重ね付けをして、ブラウンのロングスカートを履いていた場面はとくに「かわいい~♪」と思いながら観ていました。

そんな石原さん演じる海音は、ちょっとミステリアスな存在なんですよね。海音が勤めるのは、叔父の鴨居正(橋本じゅん)が室長を務める芝浦海洋大学・鴨居研究室なんですが、第2話で実は海岸に倒れていた海音を鴨居が発見したという過去が明らかになりました。

続いて、石原さんや「海」がキーワードになる今作、そして綾野剛さんのことにも迫ってみましょう。


何事にも真摯に向き合う綾野剛のスタンス

海音と倫太郎の抱える秘密は解き明かされるのか?(c)日本テレビ

石原さとみさんと綾野剛さんがダブル主演するドラマ『恋はDeepに』は、海を愛する海洋学者・渚海音(石原)と、マリンリゾート開発に人生をかけるツンデレ御曹司・蓮田倫太郎(綾野)が織り成すラブ・コメディです。

「海」がキーワードになる今作では、海音は海の生き物たちと心が通い合い、会話ができる様子も描かれています。まるで同局で放送されていた土曜午後7時からの『天才!志村どうぶつ園』(現在は相葉雅紀さんMCの『I LOVE みんなのどうぶつ園』)にたまに出演していた、動物と話せる女性・ハイジみたいだなと思いました。

でも、スキューバの最中に海で溺れた綾野さん演じる倫太郎を助けた海音は、どこかアンデルセン童話「人魚姫」のシチュエーションにも似ているような印象。

謎の多い海音の良き相談相手として度々登場するのは、自宅で飼っている「ウツボのうーちゃん」。ズバズバと話すうーちゃんの声を担しているのは、アニメ『サザエさん』のアナゴ役や『人志松本のすべらない話』(ともにフジテレビ系)のナレーションでおなじみの、声優・若本規夫さん。どおりで、味わい深い声です。海音とうーちゃんの“本音トーク”にも、海音の秘密を解き明かす鍵が隠れているに違いありません。

そしてツンデレだけあって、綾野さん演じる倫太郎ったら、本当にややこしい。出会ったときには海音に、その後は自社の女子社員に、その悪態ぶりが「感じ悪い~」と言われる始末。でも、“本当は不器用なだけ”だという、倫太郎の素顔を見抜いている、海音なのでした。

演技派として知られる綾野さんは、これまでにドラマや映画など数多くの作品で名演技を披露しているのはみなさんご存知ですよね。印象深い作品は数あるものの、私が綾野さんのスタンスに感銘を受けたのは、バラエティ番組『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)に出演したときのこと。そのときの企画は、綾野さんがカメラマンに扮して潜入し、スタジオにいるレギュラーメンバーにいかにバレないかというドッキリを仕掛けるというもの。

役者の方のなかには、バラエティ番組への出演は、番宣だから仕方なくという方もいるはず。ですが、綾野さんのスタンスは違います。たとえドッキリ企画のカメラマン役だとしても、実際に番組カメラマンたちのもとへ打ち合わせに行き、指示を仰ぎ、技術スタッフとしての心得を真摯に学びます。と同時に、コロナ禍のいま「こういうときだからこそテレビの力を信じないと」と思いを吐露し、「いまこそテレビがみなさんにとって豊かなものでなきゃいけない」「テレビは夢がある」と力説し、番組スタッフや出演者の心をわし掴みにしていました。

世間では“テレビはオワコン”と囁かれるSNS全盛時代ではありますが、テレビウォッチャーの私としては、それぞれに良さがあり、そしてやはり「テレビはいつもそばに寄り添ってくれる」身近な存在だからこそ、テレビの力を信じています。だから、綾野さんの言葉に感銘しましたし、そうやってひとつずつの作品においても、丁寧に役作りをされているのだろうなと、綾野さんの演技力の根源を知れたような気がしました。

そんな綾野さんの出演する最新ドラマ『恋はDeepに』の4月28日放送・第3話は、倫太郎と心が通じたと思った矢先、マリンリゾートへのホテル誘致が決まったと聞き、動揺する海音。まだ手に入っていない開発予定地である土地所有者の雪乃(堀田真由)に、土地を売る気持ちはないと聞き、海音は安心。だが、倫太郎は再び冷たい態度に戻り、戸惑わせる。一方、研究室でテント暮らしの准教授・椎木(水澤紳吾)は、海音の経歴が空白であることに気づき、その正体に疑惑の目を向けていた……。海音の秘密、そして倫太郎との恋の行方は? 来週も見逃せません!

海音の良き相談相手の宮前藍花(今田美桜)と蓮田榮太郎(渡邊圭祐)の関係にも注目。(c)日本テレビ

『恋はdeepに』
https://www.ntv.co.jp/deep/

かわむらあみりのテレビウォッチング
https://suits-woman.jp/column/tv/
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