コラム芸能人も一般人も悩みはある! スゴ腕占い師と音楽が話題の 『突然ですが占ってもいいですか?』

こんにちは、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。Suits womanでテレビをテーマにした連載コラムを書いています。

今回は、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系 毎週水曜日午後10時)をご紹介します。

占いが持つ不思議なパワーに興味津々

2020年1月に、特番として放送された『突然ですが占ってもいいですか!? in赤羽』が好評で、4月からはレギュラー番組として放送中の『突然ですが占ってもいいですか?』。番組MCには、沢村一樹さん、水野美紀さん、“みちょぱ”こと池田美優さんが「フォーチュンウォッチャー(幸運見届け人)」として出演。

毎回登場するスゴ腕占い師の方に、ゲストや占い鑑定に応募した一般の方などが赤裸々に人生相談をして、より良い未来のためのアドバイスをもらうドキュメントバラエティーです。

「ちかっぱ」(「すごく」という意味)という博多弁もキマる博多の占い師・木下レオンさん、有名なゲッターズ飯田さんの弟子で美容占いなどが得意な占い師・ぷりあでぃす玲奈さんが活躍している特番のときから毎回同番組を観ていますが、悩みを抱える人たちのリアルな現実がみるみる浮き彫りになっていくんです。そんな相談者に、視聴者の方も、どこか共通する悩みを重ねて、どんな回答をするのか興味を持って観てしまうところもあるのではないでしょうか。

9月2日放送回では、ゲストにFUJIWARAの“フジモン”こと藤本敏史さん、原西孝幸さんが登場。おふたりを占ったのは、いま巷の女性から大人気の、巫女の血筋を持つ天星術の開祖でもある占い師・星ひとみさん。「占いは信じる」という藤本さんと、「占いは信じない」という原西さんが星さんと対面。何かとプライベートな話題で世間を賑わせた藤本さんは、前のめりになりながら鑑定してもらい、ズバズバと過去を言い当てられ、神妙な顔つきに。

対する原西さんが、懐疑的だったのは最初だけ。もともと社交的ではないという原西さんは、相方の藤本さんにもプライベートの話をしないそうで、そんな原西さんの奥さんが「藤本さんを嫌い」と言う星さんの鑑定結果に、「なんで知ってるんですか!?」と目を見開いて驚く原西さん。最後には、素直に星さんにアドバイスをもらう原西さんの姿がそこにはありました。

古今東西、「占い」は一定の人気を得ていますが、信じるも信じないも人それぞれですよね。とはいえ、原西さんのように否定派の人でも、実際に誰にも言っていないようなことをズバリと言われると肯定せざるを得ないようにもなるのが、占いの不思議なパワーです。

withコロナ時代となり、より一層人々のQOLの維持や向上に関心が向く現在、「占い」を軸にして心の闇を晴らしていく同番組は、注目度も高いものだといえます。筆者は昔から占いが大好きで、西洋占星術、東洋占星術、風水その他スピリチュアルなものなども含め、街角から紹介のみの占い師の方まで、これまでたくさんの占い鑑定をしてもらいました。実際に占い師の方々とご一緒したり、原稿を書いたり、占い本の編集制作をするなどお仕事でもご縁があったり、タロットカードなどの占い道具も持っているので自分で占うこともあります。

男性はあまり占いに興味のない人がほとんどですが、神秘的なものに惹かれる女性は、占い好きの方も多いですよね。身近な人には言えないことでも、全然関係ない間柄だからこそ、占い師の方には悩みを打ち明けられるという人も少なくありません。しかも、けっこうディープな悩みを相談する人も。どんなことを言われても、「うまくいったらラッキー」ぐらいな感覚で、占いも数あるアドバイスのうちのひとつととらえて、占いに依存しすぎず、振り回されず、活用できるのならいいですよね。

星ひとみさんの占いは「当たる」と女性人気が高い。 (C)フジテレビ

ツボにハマる番組BGMも話題沸騰

実は、同番組で流れるBGMも話題になっているんです。たとえば9月2日放送回の場合、FUJIWARAのおふたりが登場するときに流れていたビッケブランカさんのキャッチーでダンサブルな「Ca Va?」、番組後半で木下レオンさんが登場するパートでの「幸運を呼ぶ暮らし方」コーナーでは、サニーデイ・サービスさんの情緒的でフォーキーな名曲「あじさい」が流れてきて「おお! ここで流れるとは!」と筆者はニンマリしました。

他にも音楽好きにはたまらないような楽曲がずらりと揃い、占いも曲も見逃せない内容なんです。センスのいい選曲は、SNS上でも盛り上がってバズったりすることもあり、番組公式ツイッターでは、プレイリストにして公開されています。あわせてLINEMUSICでも配信されているので、占いだけでなく、楽曲でも視聴者を楽しませてくれているといえるでしょう。

曲といえば、番組内で相談者の占い結果がドンピシャだったときに、「LOCK-ON〜♪」とテロップ&音楽が流れるんです。印象的なフレーズですし、鑑定中何度も「LOCK-ON〜♪」することがあるので、すっかり耳に残ってしまうんですが、これって番組用に作った短い曲なのかと思いきや、なんとスチャダラパーさんとEGO-WRAPPIN’さんによるコラボ曲「ミクロボーイとマクロガール」からの引用。中納良恵さんの声だったんですねえ、選曲ヤバいっす!

さらに「占い師なんて知らないし〜♪」と、占い番組のテーマ曲とは思えない歌詞が聴こえてくるんですが、これは相対性理論さんの曲「マイハードピンチ」。やくしまるえつこさんの脱力系ボーカルがいい味出してます。

ただやっぱり、いちばんの見せどころは、占い。番組では、占われた相談者がその後どうなったのか、放送回によっては事後報告する場面もあります。占いに導かれた結果通りになっているのか、それとも別の選択をしたのか……。どのような結果になっても、悩みを打ち明けて心を開放したからなのか、相談者の顔は明るいものばかりな気がします。そうそう、これなんですよね。抱えていた問題を“見える化”して、客観的に行動するなど、落ち着きを取り戻すことで前に進めるのが、占いのいいところ。

沢村一樹さん、水野美紀さん、池田美優さんが運命を見届ける。 (C)フジテレビ

占い番組といえば、過去には「地獄に落ちるわよ」などの毒舌でバッサバッサと占うスタイルで人気だった細木数子さんの番組『ズバリ言うわよ!』(TBS系2004〜08年放送)や、“スピリチュアルブーム”を巻き起こした『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』(テレビ朝日系2005年〜09年放送)がありましたよね。

あれから10年以上が経ちましたが、この間に平成から令和へと時代が変わり、SNSが普及し、未婚率は上昇して高齢者は急増。細木数子さんはご自身の占い・六星占術を後継者で娘の細木かおりさんへとバトンタッチし、番組に出演していた滝沢秀明さんは芸能界を引退。また、美輪さんも江原さんも国分さんもご活躍しつつも、ご自身のフィールドを強化しながら、国分さんは所属するTOKIOが新たな段階へ。いろいろな変化がありました。

こうやって振り返ってみると、バブル後の景気低迷や大自然災害があったものの日本が戦争しなかったという意味では平和だった平成時代、どちらかというと派手に打ち出す占い番組が登場していた印象。現在は、より“個”を尊重していく令和時代になり、それぞれが未来のヒントを求めたくなるいま『突然ですが占ってもいいですか?』が始まったのはちょうどいいタイミングなのかもしれません。多様化する現代だからこそ、占いだからといって重々しい編集ではなく、おしゃれなBGMでくるまれ、どこかポップな同番組は、気軽に視聴できる令和っぽさがいいですよね。

今度はどんな悩み相談になるのか気になるところですが、次回放送は9月16日。仲が良いことで知られる、小泉孝太郎さん&ムロツヨシさんがゲストで登場します。予告では、星ひとみさんに手相を見せる小泉さんが「出てますね」、ムロさんは「出てないですね」と言われている場面や(結婚線でしょうか!?)、小泉さんが「すべて参りました!」と星さんの占いに圧倒されている様子が。要チェックです!

『突然ですが占ってもいいですか?』https://www.fujitv.co.jp/uranattemoiidesuka/