コラム韓国ドラマ『イカゲーム』が世界中で話題沸騰! 456億ウォンと生死を懸けた壮絶なサバイバルバトル

こんにちは、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。Suits womanでテレビをテーマにした連載コラムを書いています。

今回は、韓国ドラマ『イカゲーム』(Netflix)をご紹介します。 ※【ネタバレあり】のため、未視聴の方はご注意ください。

世界中からの人気を獲得中の韓国ドラマ『イカゲーム』

主人公ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)は今はダメ男だが本当は優しい男。 Netflixシリーズ『イカゲーム』独占配信中。

日本では第4次韓流ブームのまっただなかでもあり、『愛の不時着』『梨泰院クラス』など、数々の韓国ドラマのヒット作を生み出し続けている、世界最大級の動画配信サービスNetflix。

2021年2月に、Netflixは韓国のオリジナル作品に約520億円を投資するという発表もあって、今後もさらに盛り上がっていきそうな韓国作品。なかでも、すでにNetflix史上、全世界で最大のヒット作となっているのが、韓国ドラマ『イカゲーム(原題オジンオゲーム)』です。

2021年9月17日からNetflixで配信スタート。すでに世界約90カ国で視聴ランキング1位を記録したそうで、日本でももちろん、総合TOP10ランキングの1位を独走し続けています。視聴者数は、配信開始から26日で、1億1100万世帯に達したという、世界中からの人気を獲得中の『イカゲーム』。

同作は、金銭トラブルを抱えた456人が、456億ウォンという莫大な賞金が懸かったゲームに参加することから始まる、壮絶なサバイバルバトルが描かれています。

イ・ジョンジェさん演じる主人公のソン・ギフンは、事業に失敗して離婚し、細々と露天商をしている高齢の母に依存しながら、ギャンブルでさらに借金を抱える、ダメ男。すでに前妻は経済的にしっかりした新しい夫がいるものの、めったに会えない娘のことは大事に思っているギフン。

娘の誕生日プレゼントをゲーム商品にするダメ親父…。 
Netflixシリーズ『イカゲーム』独占配信中。

とはいえ、久しぶりに会える娘の誕生日にと、母からもらったお金を使い果たしたギフン。付け焼き刃的に、めったに会えない娘の誕生日プレゼントとして、ゲームセンターで知り合った子どもに取らせたUFOキャッチャーのおもちゃ(しかも箱を開けたらピストル型のライターという、娘のお祝いにはほど遠いおもちゃ)を渡す、残念すぎる父親なのでした。

そんなギフンをはじめ、同じく金銭的に困っている年齢や職業もさまざまな人たちのもとへ、ある日、謎のゲームへの招待状が届きます。ゲームに勝てば賞金が手に入り、借金が返済できるとあって、生死を分けるゲームに挑戦する456人。

タイトルにもなっている「イカゲーム」は、劇中で最終ゲームとして登場しますが、1970年から80年ごろに、実際に韓国の子どもたちの間で人気のあった遊びだそうです。他にも、「綱引き」「ビー玉遊び」といった本来は子どもの遊びが、勝てば天国、負ければ即死という厳しいルールのなかで、繰り広げられます。

同作を観ると、“生死を懸けたゲームを繰り広げる”という日本の作品たちが頭の中をよぎりますが、今作の脚本と監督を務めたファン・ドンヒョクさん自身も、かつては「賭博黙示録カイジ」といったデスゲームを扱う日本の漫画を見てインスピレーションを得たのだとか。

続いては、主役のイ・ジョンジェさんや、特別出演するコン・ユさんら、役者のみなさんに迫ります。

ゲームの運営側は赤い服にそれぞれ◯△□とあるマスクを着用していて不気味。 Netflixシリーズ『イカゲーム』独占配信中。

イ・ジョンジェの見事な演技、コン・ユの存在感が光る

参加者が来ている緑のジャージも注目されているのだとか。 Netflixシリーズ『イカゲーム』独占配信中。

Netflix史上、全世界で最大のヒット作となっている、韓国ドラマ『イカゲーム』。金銭トラブルを抱えた456人が、456億ウォンという莫大な賞金と生死を懸けたゲームに参加することから始まる、壮絶なサバイバルバトルです。

主人公のソン・ギフンを演じたイ・ジョンジェさんは、韓国で数々の賞を受賞している実力派俳優。そんなイ・ジョンジェさん出演作で、筆者が観たなかで印象的だった作品をふたつご紹介すると、ひとつは、映画『ハウスメイド』(2011年公開)。主演の演技派女優、チョン・ドヨンさん演じるメイドが仕える上流階級の邸宅の主人・フン役として、イ・ジョンジェさんが出演し、横暴で自分勝手なお金を持っている以外なんにもない主人役を、嫌味たっぷりに演じ切っていました。

ふたつめは、韓国のアカデミー賞といわれる第50回大鐘賞映画賞で、主要6部門を受賞した映画『観相師 -かんそうし-』(2013年公開)での、王の弟・首陽大君役です。

映画『観相師 -かんそうし-』(2013年公開)は、2020年の第92回アカデミー賞で作品賞など最多4部門を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』(2019年公開)で脚光を浴びた世界が認める俳優、ソン・ガンホさんの主演映画。同作でイ・ジョンジェさんは、冷酷な逆賊となり、狼のように冷たい目を光らせる悪役ぶりが圧巻でした。

最初のゲーム「だるまさんがころんだ」で登場する巨大ロボ。油断するとエラい目に遭います。 Netflixシリーズ『イカゲーム』独占配信中。

そんなひとクセもふたクセもある役をなんなく演じのけるイ・ジョンジェさんだからこそ、『イカゲーム』でのダメ男・ダメ親父っぷりは迫真の演技で、手に汗握る展開にどんどん引き込まれてしまいました。

そして、筆者がもっとも敬愛する韓国トップスター俳優、コン・ユさんも特別出演しています。『イカゲーム』のファン・ドンヒョク監督は、2011年にコン・ユさんが主演した社会派映画『トガニ 幼き瞳の告発』でも監督を務めた縁で、今回の特別出演が決定。映画のなかで、印象的な場面で登場しています。

いつも正義の側に立つことが多いコン・ユさんが、『イカゲーム』では、ダークサイドの役に。コン・ユさんが演じる役は、ふと漫画「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造を思い出しました。いや、もちろん、姿形は圧倒的にコン・ユさんがカッコいいものの、不気味な世界へと通ずる奇妙な人物として、謎のセールスマンのようだなって。やっぱりコン・ユさん、存在感大です!

そんな見どころたっぷりの『イカゲーム』シーズン1は全9話となっていますが、続きが気になってすぐ観ちゃうほど夢中になる人が続出。一気見できるのも、動画配信サービスの良いところですよね! ラストはなんと、思いがけない展開になるという、「えっ!? まだ続く!??」という終わり方になっていて、世界中での大ヒットを考えると、もしかしたら「シーズン2」の制作もあるかも!? その前に、まずはこの超話題作をあなたも一度、ご覧になってはいかがでしょうか?

運営側を指揮するフロントマンの正体は、なんと、あのヒト…!! Netflixシリーズ『イカゲーム』独占配信中。

Netflix『イカゲーム』
https://www.netflix.com/jp/title/81040344

かわむらあみりのテレビウォッチング
https://suits-woman.jp/column/tv/
前回/国民的作品『テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編』で煉獄杏寿郎の強く凛々しい生き様を見よ!